ストーリー

あらすじ

「私は、春を探していたのかもしれない」
「恋探しをしていたのかもしれないね」

風見蒼空は、当初の予定だった一学期を過ぎ、二学期を迎えても、彩香女子学園で保健室の先生を続けていた。
旅の相棒だったシロバナもまた、助手として勤めてはいるものの、ふたりはもう住まいである温泉宿——四季彩の里での同居は解消した。
姉を幸せに見送った蒼空は、今後は姉のためではなく、自分のための人生を歩むことになったのだ。
それを誰よりもわかっているシロバナは、自ら身を引き、蒼空を遠くから見守ることに決めた。
かつて、蒼空の姉である夢歌が、そうしたように。

秋は学園行事の季節であり、ラベンダー畑での校外学習や、姉妹校合同による学園祭が控えている。
せわしなく時間が過ぎる中で、ある日、学園七不思議に新たな噂が加わった。
それは、夜になると鬼が出るというもの。
その鬼の手で、学園の校庭が荒らされているらしい。
魂人の仕業と考えた蒼空は、送り人として鬼の噂を調べることになるのだった。
頼れる仕事仲間であり、飲み仲間でもある、校医のオトヒメと共に。

サクラの花言葉は、優れた美人。
そして、純潔————

ストーリー

用語解説

魂人(たまびと)

幽霊のような存在。
魂人は通常、人の目には映らない。
だが、長く現世に留まっていると、姿が見えるようになる。
魂人は生前の記憶を忘れている場合が多く、そのため自分を普通の人間だと勘違いしてしまうことがある。
人間たちと共に暮らしていた魂人が還ると、神隠し(かみかくし)と呼ばれることがある。

送り人(おくりびと)

魂人を送り還すことを生業としている者。
送り人の存在は世間一般には伝わっておらず、魂人の存在もまた知れ渡っていない。
公にはなっていないが、国家公務員のひとつに数えられている。

奇跡(きせき)

魂人が持つ不思議な力で、自然現象を操ることができる。
操作できる自然現象の種類は、魂人によって異なる。
生前に叶えられなかった心残りによって、その種類が決まると考えられている。

捧げ物(ささげもの)

魂人が奇跡を使うために、事前に捧げる行為のこと。
捧げ物の種類は、総じて本人の嫌いな行為であり、生前のトラウマが関係していると考えられている。

流派(りゅうは)

送り人には、全10種の流派がある。
「榊(さかき)・幣(みてぐら)・杖(つえ)・篠(ささ)・弓(ゆみ)・剣(たち)・鉾(ほこ)・杓(ひさご)・葛(かずら)・無採(むとり)」
流派によって魂人に対する考え方が変わり、魂人を送るための神具や祭具、方法も変わることになる。
そのため、友好関係にある流派、敵対関係にある流派など、送り人の間では派閥争いが存在する。

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