「またひとり、魂人が卒業していったようだね」
「やれやれ。趣味は、酒だけにしたいところだ」
「ロマンは生きる源。治療にも同じことが言えるのだよ」
彩香女子学園の校医。
蒼空と同じ温泉宿に泊まっている。
ゴスロリルック。
奇跡を行使するための捧げ物として、いつもノーブラノーパンで過ごしている。
周囲には魂人だと思われているが、本当は人間と魂人の間に生まれた合いの子。
生まれは明治であり、すでに140年を過ごしている。
その長い時の流れにより、彼女の出自を知る者は、本人をのぞいてこの現世にはもう存在しなくなっている。
此花ゆかは仮名であり、本名は風見夢歌(かざみゆか)。
蒼空の姉であり、故人。
過去は魂人として暮らしていたが、今は蒼空の手で幸せに還っている。
笑顔を絶やさない、陽だまりのようにあたたかな性格。
怒るときも笑顔だが、バラのトゲのごとくさりげなく毒を吐いたりする。
そのギャップに、周囲の空気が凍りつくこともしばしば。
蒼空が眠ると、夢枕に立つことがある。
だが翌朝に目覚めたときに、その邂逅を覚えていられるとは限らない。
「うつらうつら……こっくりこっくり……」
「センセーってスケコマシの才能があるよね?」
「そんなにエッチな診察したいんだ〜」
彩香女子学園の3年生。
学園長の娘。
小悪魔な性格で、巨乳。
香りに敏感で、香水やアロマにも造詣が深い。
温泉の香りも大好きなので、蒼空が泊まっている温泉宿に遊びに来ては、よく露天風呂に入っている。
学園では生徒会長を務めているが、不真面目。
仕事をサボっては、保健室のベッドで居眠りしている。
特に最近は悪夢に悩まされているのだが、蒼空が親身になって心配しても、鈴は強がって誤魔化すことが多い。
彩香女子学園の2年生。
民宿「四季彩の里(しきさいのさと)」の仲居であり、瑞海の双子の妹。
基本的にクール、話すときも淡々としている。
宿泊客である蒼空に対してもツンツンしていて、冷たい印象を与えるが、なんだかんだで面倒見が良い。
学園では、保健委員を務めている。
蒼空が保健室で業務に取りかかるときも、宿での態度と同様、なんだかんだでお世話をしてくれる。
彩香女子学園の2年生。
民宿「四季彩の里(しきさいのさと)」の仲居であり、咲羽の双子の姉。
健気で一途な、癒やし担当。
気配り屋で世話焼きでもあるのだが、生まれつき病弱で、常に儚げな雰囲気をまとっている。
宿の仕事をがんばりすぎて、倒れることもしばしば。
そんな彼女を、蒼空は死んだ姉と重ねて見てしまうことがある。
彩香女子学園の1年生。
ゆかと同じ学生寮に住んでいて、クラスメイトの関係。
明るく元気な、賑やかし担当。
とにかく不運で、不幸体質なのだが、今日もめげずに元気な笑顔を咲かせている。
その実、寂しがりで、甘えたがりだったりする。
いつもお祓い棒を腰に差している。
取り乱すと、悪霊退散と叫びながらお祓い棒を振り回すことがある。
風見蒼空の相棒。
保健室では、養護教諭の助手として働く。
あまのじゃくで、気まぐれ屋で、ヤキモチ焼き。
口も悪いが、根は優しい。
蒼空に恋心を抱いているが、本人は表に出さないよう必死。
照れ隠しなど、都合が悪くなったときは、シャボン玉を吹いて誤魔化すことが多い。
シロバナは魂人であり、奇跡という名の不思議な力を操ることができる。
奇跡を行使するには、事前に捧げ物が必要になる。
ほかの魂人や送り人が襲ってくるようなことがあれば、この力で蒼空を守ってくれる。
本作の主人公。
彩香女子学園の保健室の先生。
教員免許は持っていないが、医学知識や看護技術はあるため、臨時の養護教諭兼、スクールカウンセラーとして勤めることになる。
霊感が高く、魂人の気配を読むことができる。
その気配を頼りに、これまでは送り人として魂人を送る旅に出ていた。
とはいえ、実は極度の方向音痴。
歩くと、よく迷子になる。
送り人の中でも無採(むとり)と呼ばれる流派に属しており、言霊(ことだま)を操ることができる。